「♪ダンダン・ダダーン抜けていく。♪(中略)減っていく。
♪30代の抜毛に薄毛。(中略)
♪『お医者さんに相談だ! 』(後略)」
薄毛・はげにお悩みの方なら、よーくご存じのCMですよね。
それまでは全くつながりがなかった、
薄毛・はげ と お医者さん(治療)
をつなげた画期的なCMでした。
日本でのAGA治療薬の販売が始まった、2005年からだと思います。
当時、製品(かつら)による対策が順調だった筆者は、
時代も進んだな、と思いつつ、今のかつらに満足していたので試してみようという気も全く起こらず、横目で眺めていました。
そういいつつも少しは気になるので調べてみると、アメリカでは1997年には認可になっていたとのことで、さらにびっくりしました!
なぜびっくりかというと。。。
自分、2000年前後にアメリカに住んでいたんだけど。
しかも薄毛・はげ対策の施設にかつらのメンテなどをしてもらっていて、そこの社員の方々とバカ話を含めていろんな話をしてたんだけど。
でもプロペシアの「プ」の字も、フィナステリドの「フ」の字も話題に上ってなかったな。。。
というわけで、なんか疑問を感じてます。
疑問は、その効果に対してではありません。効果は立証されていると思うので。
薄毛・はげのみなさんが、その対策でいいのだろうか、とうことに対してです。
くどいですが、成果が出ている方々や、供給されている方々に何か言いたいわけでは毛頭ないです。
この世界、何が正しいかは人それぞれだと思うので。
ただ!
筆者はなんかもやもやする疑問というか違和感を、AGAの治療薬の一つのフィナステリドに対して持っています。
今回はその辺りを書いてみたいです。
内服薬で大丈夫か?それ以外で対策か?
上記で書いたもやもやは、ずっと持っていましたが、特段他の方へお伝えする必要もありませんでした。
今回、記事にしたのは、知人からの薄毛・はげの相談があったからです。
対策についてどうアドバイスすべきかを、AGA治療薬を含めて、真剣に考えてみた結果です。
AGAを早くから発症し、薄毛・はげ対策については、以下の通り、色々と経験してきた筆者です。
- 各種の育毛剤や頭皮の刺激などによる育毛
- 自毛に結びつけるタイプの増毛
- かつら(製品)
ですがAGAの内服薬は経験がありません。
しかもホルモンへ影響のある薬を「飲む」ということなので、軽々にアドバイスできるはずがなく。
少し調べてまとめてみようと思った次第です。
アメリカのサイトで得られる情報
AGA治療の選択肢や進歩について
日本で普通に「AGA 治療」などで検索すると、
定番のAGA治療薬に関する『How』について
の解説が多いですよね。
フィナステリド、ミノキシジル。何を飲むか・つけるか、期間、費用とか。クリニックの案内とか。もちろん効果と副作用や、AGAの原因・メカニズムなどの解説がついていて。
一方でアメリカの「AGA treatment」の検索上位サイトは、
AGA治療の多数の選択肢の評価
を記載したものが多いです。
もの凄く簡略化すると、以下のような内容になります。
- 現時点で必ず効果がある方法はない。
(AGAのメカニズムも完全解明されていない。) - フィナステリドとミノキシジルの2つがFDA認可されていて効果もあるが、副作用もそれなりにあるので注意。
- 進歩は遅いが、新たな治療法も研究されている。
中には、
AGAは治療は不能で進行を遅らす方法があるのみ、
治療薬は30年間ほとんど進歩してこなかった、
治療薬に満足できない患者が民間療法へ流れがち
などなど、刺激的な?というか気になる記述もあります。
詳しくは以下の記事を参照願います。
【日本は特殊?】アメリカのAGA治療に関する上位サイトの内容
副作用の発現率
知人へアドバイスするに当り、筆者が最も気にしているのが副作用です。
これも日本とアメリカとでは、出回っている情報に大きな違いがあります。
日本だと
副作用の発現率は小さく心配はいらない
といった情報がほとんどです。
少なくともサイトの見解としては、そのような記載です。
ただし掲示板などでは、副作用が頻繁というか、織り込み済みといった印象を受ける情報も見られます。
例えば以下のスクリーンショットを参照願います。
フィナステリド副作用例1
※上記は、こちらのサイトからの情報です。
フィナステリド副作用例2
※上記は、こちらのサイトからの情報です。
一方でアメリカだと
副作用はあるので注意が必要
といった内容です。
例えば、
インポテンツ:5%-19%
性欲減退:2%-10%
といった衝撃的な記述も出てきます。
例えば、以下のサイトを参照願います。
・フィナステリドの副作用に関する米国のサイト例
・AGA治療の各種手法に関する米国のサイト例
もちろん、もっと小さい発現率も報告されています。
また発現率は多少高いが、プラシーボでの発現率を考慮するとフィナステリドの影響は小さそう、といった調査結果もあります。
日本とアメリカの両者の情報をどう解釈すべきか、難しい所です。
調査方法(臨床か調査結果など)や、人種の差など、要因はいくつか考えられはしますが。。。
慎重派は、大きい方の数値で理解しておく、ということでしょうか。
(筆者もそうなります。)
フィナステリドに関するモヤモヤ
筆者のもやもやは、上記の副作用にも関連しますが、フィナステリドの
・作用の仕方・働きける対象
・作用の強さ
にあります。
FDAや厚生労働省の認可が得られていることは、重々承知しているのですが。。。
男性ホルモンの一種を「抑制」
「フィナステリドは、男性ホルモンの一種であるテストステロンが、DHT(ジヒドロテストステロン)に転換されるのを抑制することで、AGA(男性型脱毛症)を抑止する。」
皆さん、よくご存じのことと思います。
テストステロンは男性ホルモンとして有名です。仮にそれを「抑制」すると言うと、いくら薄毛治療のためとはいえ抵抗感があると思います。
でもフィナステリドが抑制するのは、テストステロンではなく、DHTなので男性ホルモンの働きに影響はない、これもあちこちで解説されています。
でもDHT(ジヒドロテストステロン)って、何なんだろう?
抑制しても大丈夫なんだろうか?
答えを探して筆者が検索した文献には、以下の記述がありました。
テストステロンは、5α-還元酵素の働きで より活性の高い5α-ジヒドロテストステロン(DHT)に 変換される(図1B)。5α-還元酵素欠損症の男児は、性 分化疾患を呈することから、DHTが、特に男性にお いて重要なアンドロゲンであることがわかる。
「哺乳類における11-ケトテストステロン産生と機能」より
DHTは強力(テストステロンの約3倍)な生理作用を有し、アンドロゲンレセプターと結合することによって作用して前立腺や外性器の分化を誘導する。これにより、男性では生殖結節が発達し亀頭となり、生殖ひだは左右癒合し陰茎を形成する。
「性の分化とその異常」より
このようにDHTは、テストステロンよりも強力で、胎生期には外性器の雌雄分化で、重要な役割を担っています。
胎生期以外の役割については、AGAの原因となること以外、あまり解説されていませんが、以下のような文献の記述もあります。
「厳密に言うと、テストステロンの変化体、ジヒドロテストステロン(DHT)が性欲亢進の本体です。筋肉を強くしたり男らしい決断力を高めるというプラスの面がある一方、髪の毛を薄くしたり前立腺を肥大させるという側面もあります」
TarzanのWebサイトより
DHTは、薄毛の原因として悪玉扱いされていますが、スポーツの世界では最も重要なアナボリックホルモンとして、高齢者にとっては加齢に伴うサルコペニア(筋減退症)、[中略] の治療薬やサプリメントの最右翼として注目されています。
「軽運動は海馬の男性ホルモンを高める」より
長くなりましたが、筆者のフィナステリドに対する懸念をまとめると。。。
テストステロンと同様に男性ホルモンの一種であるDHTを抑制したらと、男性ホルモンの働き、つまり男性を男性らしくする作用に何らか悪影響が出るだろう、というものです。
性欲、男性器の成熟・機能維持、筋肉の合成なんて、どうでもいい!
と割り切れれば、懸念でなくなるのでしょうけど。
妊婦は触れるだけで危険
フィナステリドの取扱いに関しては、厚生労働省から、次の注意喚起がなされています。
プロペシアと妊娠に関する警告
厚生労働省のWebサイトより
・ 妊娠中か、その可能性のある女性は:
-絶対にプロペシアを使用してはいけません。
-砕けたり割れたりしたプロペシアの錠剤をさわってはいけません。
男の子を妊娠している女性の体内にプロペシアの有効成分が入ると、それが口から入った場合であっても、皮膚に付着して吸収された場合であっても、男の子の生殖器に異常を起こすおそれがあります。妊娠中の女性がプロペシアの有効成分に触れてしまった時には、医師に相談して下さい。
※強調は筆者
個人の感覚にはなりますが、相当な強さの効き目のようです。
それだけ強くDHTを抑制しないと、AGAの進行は食い止められないということなんだと思いますが。
それにしても。。。
とにかくとってもおっかないです!
副作用は気にして当然(がん治療ではなく薄毛・はげ対策の話しなので)
仮に、がんなどの死に至る病の治療薬として、フィナステリドの服用をすすめられたら、筆者は迷うことなく服用します。
男性らしさの維持 < とにかく生きる
自信をもって、こう言えます。
でも、薄毛・はげの治療薬として服用をすすめられたら。。。
かつら・増毛のデメリット < 男性らしさの維持
これも自信をもって言えます。
単なる外見のために、そこまでするのか、体の中までいじるのか、という違和感です。
外見をなんとかしたいなら、服装とか、かつら・増毛などの外付けの対策が自然なのではと思います。ファッション感覚で。
外見対策とは別ですが、近視の対策を考えてみて下さい。レーシックもありとは思いますが、安心安全を求めるなら、やはり眼鏡やコンタクトでしょう。それと同じことだと思います。
以上、長くなってしまいました。
色々な価値観があると思いますが、筆者の感覚を記載させていただきました。
いかがでしょうか?
治療薬について、米国や日本の当局の認可を得ることの大変さや、その重みは頭では理解はしています。ただ筆者の場合は、体がついていかない、という所でしょうか?
少しでも参考になれば幸いです。